For Overseas Customers
Home 試験 試験メニュー 性能測定試験 絶縁信頼性測定評価試験サービス
性能測定試験

絶縁信頼性測定評価試験サービス

絶縁信頼性測定評価試験サービスは、電圧を印加した状態で絶縁抵抗値の変化を長期間連続監視し、短絡リスクやエレクトロケミカルマイグレーション(ECM)による絶縁劣化を評価する試験サービスです。

代表的な試験規格

絶縁抵抗値の変化を連続測定し、短絡リスクと絶縁信頼性を評価します

電子機器の小型化・高密度実装化が進む中、プリント基板や実装部品にはこれまで以上に高い絶縁信頼性が求められています。特に高温高湿環境下では、基板表面や配線間において絶縁劣化が進行し、短絡や断線といった重大な故障につながる可能性があります。

ETACの絶縁信頼性測定評価試験サービスでは、評価対象に電圧を印加した状態で絶縁抵抗値の変化を長期間連続監視し、エレクトロケミカルマイグレーション(ECM)や絶縁劣化の発生リスクを評価します。試験中の抵抗変化をリアルタイムで取得することで、故障発生のタイミングや劣化進行の傾向を把握し、製品の信頼性向上に役立てることができます。

エレクトロケミカルマイグレーション(ECM)とは

エレクトロケミカルマイグレーション(Electrochemical Migration:ECM)は、高温高湿環境下で配線間に電位差が存在する際に発生する絶縁劣化現象です。基板表面の水分やイオン性残渣を介して金属イオンが移動し、最終的にデンドライトと呼ばれる樹枝状の金属析出物が形成されることで短絡を引き起こします。

ECMは主に次のプロセスで進行します。

1. 金属の溶出(陽極側)

陽極側の金属原子(M)が電子を失い、金属イオン(Mⁿ⁺)として電解質中へ溶出します。

M → Mⁿ⁺ + ne⁻

2. 金属の析出(陰極側)

溶出した金属イオンが陰極側へ移動し、電子を受け取って金属として析出・成長します。

Mⁿ⁺ + ne⁻ → M

3. イオンの移動

電界の作用により、

  • 金属イオン(Mⁿ⁺)は陽極から陰極へ移動
  • 陰イオン(Cl⁻など)は陰極から陽極へ移動

します。

4. 劣化の進行

この現象が継続すると、

  • 陽極側では金属が失われ配線が細くなり断線(オープン)
  • 陰極側では金属が成長してデンドライトを形成

します。

形成されたデンドライトが隣接配線に到達すると、配線間で短絡(ショート)が発生します。

5. デバイス故障

最終的に、

  • 回路の誤動作
  • 機能停止
  • 通信異常
  • 電源障害

などの故障につながります。

試験の目的

本試験では、高温高湿環境やバイアス印加条件下での絶縁信頼性を定量的に評価します。

特に以下の確認に有効です。

  • フラックス残渣の影響評価
  • はんだ材料の比較評価
  • 基板表面処理の比較評価
  • 実装工程変更時のリスク確認
  • 新規材料採用時の信頼性検証
  • ECM発生メカニズムの解析

対応供試品

  • プリント基板
  • フラックス
  • 評価用くし形基板
  • 電子部品実装基板
  • 各種評価用サンプル

故障モード

本試験では主に以下の故障モードを評価します。

短絡(SHORT)

絶縁抵抗値の低下やデンドライト形成によって配線間が導通し、短絡状態となる現象です。

必要に応じて断線(OPEN)傾向の評価も実施可能です。

対応試験規格

  • JIS Z 3197(ISO9455-17):フラックス
  • JIS Z 3284:ソルダーペースト
  • IPC-TM-650 Method 2.6.14:くし形基板
  • IPC-TM-650 Method 2.6.25:Via付きくし形基板
  • JPCA-ET01:プリント配線板
  • EIAJ ED-4701/100:チップ上の金属配線

試験の流れ

1. 供試品の受入れ

試験対象品の仕様確認、試験条件の打合せを行います。

2. 試験器への設置

恒温恒湿試験器内へ供試品を設置し、評価システムへ配線接続を行います。

3. 初期設定

試験条件、印加電圧、判定基準、測定チャンネル設定を行います。

4. 中間報告

試験中の絶縁抵抗値推移や異常発生状況を報告します。

5. 試験終了

取得データを整理し、試験結果を報告します。

オプションサービス

  • HAST試験
  • 断面観察サービス
  • SEM観察
  • EDX元素分析
  • X線CT解析

試験事例

試験条件

  • 温度:85℃
  • 湿度:85%RH
  • 試験時間:1000時間

評価システム

  • 計測チャンネル数:128ch
  • NG判定値:1×10⁶Ω

使用設備

  • ETAC製 FX431N-E(恒温恒湿試験器)
  • ETAC製 SIR13(絶縁信頼性評価システム)

試験中は全チャンネルの絶縁抵抗値を連続記録し、異常発生時刻や抵抗低下挙動を把握します。取得したデータはグラフ化され、絶縁劣化の進行過程を詳細に解析できます。

ETACの絶縁信頼性評価サービスの特長

  • 最大128チャンネル同時計測
  • 長期間連続モニタリング対応
  • 高温高湿環境下での評価が可能
  • ECM発生挙動の可視化
  • 豊富な試験規格への対応
  • HASTや断面解析との組み合わせ評価
  • 不具合発生後の原因解析までワンストップ対応

絶縁信頼性は電子機器の長期安定動作を支える重要な品質要素です。ETACでは、試験から解析まで一貫した評価体制により、お客様の製品開発・品質保証をサポートします。